ひろせき電鉄220形電車

ひろせき電鉄220形電車(ひろせきでんてつ220がたでんしゃ)は北勢鉄道(現在の三岐鉄道北勢線)がその電化にあたり新造した、旅客・荷物合造電車モハニ50形電車(後のモニ220形電車)を2022年4月にひろせき電鉄地底湖線開通と同時に譲渡された車両である。
本項では、モニ220形が原型のサ120形を電動車化させた1220形電車(1220がたでんしゃ)についても記述する。
ひろせき電鉄220形電車
画像準備中
編成:1
定格速度:40km/h
車両定員:48(座席28)人
全長:11,460mm
軌間:762mm特殊狭軌
電気方式:直流600V
制御装置:彩葉電機KR-8 直接制御器
駆動装置:吊掛式
台車:NKC-1
製造メーカー:日本車輌製造
概要

詳しい経歴、車体や主要機器についてはwikipediaを参照のこと。

導入に至るまで

登場~近代化以前まで
1931年の北勢鉄道六石-阿下喜間の延長および全線電化開業に合わせてモハニ50-55の6両が名古屋の日本車輌本店で製造された。
1944年には三重交通に統合されると同時に籍を三重交通に転入し、モニ221形に改番された。
さらに、1964年には三重電鉄北勢線に、1965年には近畿日本鉄道北勢線とめまぐるしく社名が変更される間、他線に移動することなく使用され続けた。1965年に三重電鉄が近鉄へ合併されたことにより、塗装がマルーン1色への塗り替えと、形式称号のモニ220形への変更が実施された。

近代化以後~廃車まで
1977年の270系投入開始で、モニ225-モニ227の3両は内部・八王子線へ転籍された。
以後、両線の主力車として運用されていたが、1982年の近代化事業に伴う260系の入線開始で戦前製のモニ225・モニ226の廃車と、戦後製で車齢の若いモニ227 - モニ229のサ120形サ121 - サ123への大改造が実施された。
サ120形への改造は、側窓の上段下降、下段固定式アルミサッシへの交換、荷物室撤去に伴う窓配置の変更、木材が多用されていた内装の不燃化に伴う全面改装、乗り心地改善を目的とした大改装となったが、側面にはウィンドウ・シルとウィンドウ・ヘッダーが残されている。
なお、座席はロングシートで、モケットは赤からオレンジに変更されており、車体塗装も260系に準じて従来通りのマルーンを基調としつつ、車体裾部と側扉部をオレンジ色に塗り分けた特殊狭軌線新標準色となった。
その後、1994年から1995年にかけて保安性向上を目的として実施された、ブレーキのHSC電磁直通ブレーキへの改造に際し、台車の乗り心地改善を目的とした再改造が実施され、板バネを廃してダンパ付きコイルバネを下揺れ枕上に乗せる、近代的な構造のNKC-2となった。
※1
ところが、サ120形はひろせき電鉄地底湖線開通に伴う譲渡が決定し、全車廃車ということになった。

保存~復活へ
1983年に廃車となったモニ226は2008年まで四日市市スポーツランドにて静態保存され、その後三岐鉄道北勢線阿下喜駅へ移送され、有志団体による保存活動が進められていた。
※1
しかし、移送直後にひろせき電鉄が購入要望を出し、2009年2月に豊洲港へサ120形と共に移送し、ひろせき電鉄車輌管理基地豊洲分区にて急ピッチで復元工事と電装改造工事が進められ、彩葉電機により全て新品のものに復元交換された。なお、ひろせき電鉄入線にあたり以下のような改造が施された。
・ワンマン機器の設置
・出力を増強型に変更
・勾配区間を走行するため、抑速ブレーキを増設
・他形式と連結できるように大和田・簗ヶ浦方に電機連結器を増設
・手動ドアのため、走行中は扉の自動ロック機能を設置
・高原線アンテナ、GPSアンテナ、ATS(K型ATS)といった保安装置の設置
・大和田・簗ヶ浦方の先頭部の前照灯をシールドビーム2灯に変更
・パンタグラフや床下機器の凍結を防ぐためのヒーターを各所に設置
・冬季にはスノープラウが装着できるように金具を設置

というように、さまざまな仕様変更があるものの走行可能な状態に復元させることができた。
サ120形も2両が先頭車化改造が行われ、電動車化工事も行われた。改造内容については後述する。

甲種輸送は豊洲分区-豊晴交通西豊洲駅-青台中央駅-大和田検車区というルートで夜間に行われ、モワ2250形により輸送された。車体はモワ2251号に、台車などの備品をクワ3021にそれぞれ載せ、220形、1220形の4両を4日に分けて夜間に輸送された。小型車両のため、建築限界に引っかかることなく無事に全4両が大和田検車区まで運ばれた。

運用※1

3月末の地底湖線開通目前に高原線にて試運転が行われた。試運転時には大和田~琴海間は直流1500V区間で走行できないため、20tB型電気機関車の牽引で無動力回送され、琴海駅到着後に機関車を切り離し、パンタグラフを上げて琴海-広関高原間を往復、琴海駅到着後に地底湖線、簗ヶ浦海浜交通線を往復し、琴海駅で大和田方に電気機関車を連結し、パンタグラフを下ろして無動力回送で大和田検車区へ戻るというメニューだった。
同時に他形式との連結試運転も簗ヶ浦駅構内で行われるなど、短期間でさまざまな試運転が行われていた。
そして始めて乗客を乗せて運行したのは開業目前の2022年4月4日で、モニ226の保存に携わった関係者を乗せて琴海-簗ヶ浦間を単行で往復する試乗会が行われた。
翌日の開業日では元モニ220形の1221編成と3両編成を組み、終日運行が行われた。

以降、他形式と混じって運用に入る機械は多いが、非冷房車のため、夏季は運用に入ることは少ない。
同年6月以降は単行運用や団体臨時列車の運用にも入り、往時を彷彿させるようにファンの目を楽しませている。

なお、豪雪地域のため、スノープラウを装着して運行することがある。


今後の動向※1

今後もひろせき電鉄地底湖線、高原線、簗ヶ浦海浜交通簗ヶ浦線にて運用されるが、検査時の保守点検や部品調達が困難、トンネル内火災時における難燃化対策が施されていないため、近い将来全面改装が行われるか、往時のスタイルを残すべく、高原線直通運用から撤退し祭壇跡地-簗ヶ浦-寿町間でイベント中心に運行するか現在検討されているため、将来は決して明るいものではない。
しかし、ファンの人気は高く、地底湖線開通と同時に販売したグッズは全て売り切れるほどであることから、廃車になることはまず考えにくいであろう。


ひろせき電鉄1220形電車※1

ひろせき電鉄1220形電車(ひろせきでんてつ1220がたでんしゃ)は2022年に近畿日本鉄道サ120形を購入し、電動台車、電装品を取り付け、電動車化させた車両である。

ひろせき電鉄1220形電車
画像準備中
編成:2~3
定格速度:40km/h
車両定員:56(座席32)人
全長:11,460mm
軌間:762mm特殊狭軌
電気方式:直流600V
制御装置:IGBT-VVVFインバータ制御
駆動装置:吊掛式
台車:TS1026N
製造メーカー:日本車輌製造

サ120形からの改造内容
以下準備中
※1実際には起こっていない出来事です。

  • 最終更新:2010-10-21 03:53:23

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