ひろせき電鉄600・700・720形電車

ひろせき電鉄700・720形電車および600形電車はそれぞれ2021年、2023年に名古屋市交通局東山線で活躍した300形、250形を購入した車両で、現在ひろせき電鉄みなと線で使用されている通勤型電車である。

概要

2022年4月5日のみなと線開通と同時に運行する通勤型車両として名古屋市交通局で廃車となった300形を321~332の2両6編成購入し、2021年9月より全12両が豊洲に搬入が行われた。
開業当初のみなと線は線形が複雑で急カーブが多いため、20m級車両は単行車両のみの入線で、2両編成以上は17m級以下の車両による入線が義務付けられていたため、2両編成は名古屋市交通局300形に白羽の矢が立った。

改造

325~332の8両は入線に際して翌2022年1月までに改造が行われることになった。
まず、全車非冷房であったため、京青電鉄3300形の廃車発生品の分散式クーラーを中央に1基、中京急行電鉄の10000形特急型電車の分散式クーラーを両端に2基の3基を設置している。
また、冷房設置に伴い、車内天井はファンデリアからラインデリアに、床下は補助電源(MG)から京青電鉄5200形の廃車発生品であるSIVに交換された。
運転台は京王電鉄6000系のものに交換され、ワンハンドルマスコンを採用している。
名古屋市営地下鉄は第三軌条方式であったが、ひろせき電鉄では架線集電方式と集電方式が異なるため、パンタグラフが奇数番号車の連結面寄りに設置された。
これに伴い不要となった台車集電靴は撤去されたが、本体は車高調整のために心皿部分に補助枠が挿入され、改軌(1,435mm→1,250mm)した上で継続使用されることになった。また、輸送時にタイムトンネルを通過するために高速対応、タイムトンネル通過対応工事も施された。
また、電装品は325~328は名古屋市交通局時代の600Vからひろせき電鉄の1500Vへの昇圧対応改造が施され、これも継続使用されている。制御器は2両で固定編成となる事から、昇圧改造を期に直並列制御の配線変更が実施され、各車独自制御(1M方式)から奇数番号車による2両一括制御(ユニット方式)へと変更された。
329~332は本線でも使用できるように主電動機を京青3300形の廃車発生品であるTDK-816-A1主電動機に交換され、2両のMM'ユニット方式となっている。
また、ATSもH型ATSに交換し、IR無線アンテナが前クーラーと中クーラーの間に受信アンテナ、中クーラーと後クーラーに送信アンテナが設置された。
番号は325~328を701~704、高原線にも対応できる出力増強型の329~332は721~724の番号が与えられ、それぞれ700形、720形とした。
なお、上記から外れた4両は座席、窓ガラス、電装品などの部品をモワ2250形に積んで大和田検車区まで輸送し、車体のみ豊洲分室にて保管されていたが、2023年2月に同工場内で解体されている。

営業運転開始まで

改造が終了した8両は2022年1月27日、28日に分けてモワ2250形の牽引で大和田検車区まで回送された。
2月1日より8両が春木台検車区へ4両に分けて自力回送され、2月4日より本線試運転がみなと線開通直前まで行われた。

塗装の変遷

営業運転開始後、塗装はしばらくの間は広関高原電鉄の標準塗装であるアイボリーと茜色のツートンカラーだったが、701編成を除き、全体をコーラルブルーをベースに前面はブラックフェイスに水玉模様、扉部分は両端を茶褐色、中央の扉を茜色で配され、側面窓下に模様が加えられた「みなと線カラー」と称される専用塗装となった。701編成は名古屋市交通局時代のウィンザーイエローと呼ばれる菜種色のリバイバルカラーとなった。その後、2023年10月には600形導入に合わせ、721編成も同様の塗装となった。そして、みなと線の活性化イベントを記念し、723編成には濃緑色ををベースに扉部分はアイボリー色、屋根肩部に黄帯を纏ったスイス客車風の塗装に変更されたが、イベント終了後の2024年3月にみなと線塗装に戻されたがドア脇や窓下、前面の装飾などが省略されている。
一方721編成は601編成の導入に伴い、菜種色から青台中央駅の洋菓子店「PIELLE L」の
広告塗装として721がチェリーレッドを基調としたイスハパン風、722がアイボリーを基調としたティラミス風に変更された。

運用

JR一文字線との直通運転開始前までは1000形などに混じって2両編成でみなと線内を往復し、ラッシュ時には入出庫の関係上、本線春木台まで顔を出し、1000形や800形を増結した3両編成で運行するが、性能が異なる720形と連結する場合は(1000形1003以降を除き)相方の車両はパンタグラフを下げてT車となり、720形から電源供給する形になっている。
なお、一時期720形2編成増結した4両編成で本線の豊晴交通線直通運用を代走した実績が何度かあるが、日中の運用のみで、朝夕には本線用の車両に戻している。
さらに、2023年の北一文字延伸、JR一文字線との相互直通運転開始後はラッシュ時に1000形2両もしくは1編成増結した4両編成で運行するようになった。(ちなみに直通運転開始に合わせて用地買収が完了したため、線形改良がおこなわれ、2023年2月には20m級大型車も2両編成以上入線できるようになっている。)
そして現在、新町車庫完成後の2023年11月ダイヤ改正以降、春木台入出庫運用は削減され、新町入出庫の線内運用が増加傾向であり、2025年の緑園都市線開通に伴ってみなと線内各駅停車のは終日みなと線内往復する形になり、みなと線全駅自動改札導入が当年度で完了し、ラッシュ時間帯は車掌が乗務していた列車も終日ワンマン運転が行われている。

廃車

上記の緑園都市線開通に伴って、本線直通運用が消滅し、編成組換えによって2025年1月に702が廃車となった。同車は新町車庫で部品取り扱いとして側線に留置されている。

600形

600形電車は元名古屋市営地下鉄250形電車を改造した上で導入された電車である。
2023年11月のダイヤ改正で行われるラッシュ時の4両編成増発に向けて元名古屋市交通局250形が導入されることになった。2023年9月に253,254,257~260の6両が豊洲分室に搬入され、253,254の2両を対象に700形と同様の工事が行われ、10月4日にモワ2250形牽引で春木台検車区へ回送され、11月より試運転が始まり、ダイヤ改正当日の11月18日より営業運転を開始した。塗装は、同系列で3編成目となる名古屋市営地下鉄時代のウィンザーイエローを採用し、みなと線カラーの車両よりも黄電リバイバルカラーが増えているという逆転現象が起こっていたが、721編成が塗装変更したため、現在は4両となっている。

翌年2月より257,258に対して改造が施された603編成は1003号車の機器を流用し、同系列初のVVVF制御車として6月9日に営業運転開始した。塗装は724編成と同様、みなと線塗装を簡略化した塗装になっている。

同時に605編成も導入される予定であったが、前面が左右非対称という点から増結に使用できず、導入が見送られている。また、緑園都市線開通後には車両が余剰となり、1005号車の機器も当初605編成に譲るはずだったが、721編成に譲り、705編成となるため、現在も改造されず豊洲分室に留置されている。
また、601編成の601は増結用車両として2024年12月より1M方式への改造が施され、電動空気圧縮機などの機器を廃車になる702から譲り受けた。

なお、1000形のうち未更新2両(1001,1002)と制御装置供給用の2両(1003,1005)を置き換えており、1001、1002号車は鮮魚用として1521形を置き換えている。

703編成は2024年の検査時に側面は簡略塗装化されたものの、前面はみなと線開業時塗装を保っており、同編成は車体広告車として、2024年12月~翌年2月まではブ○ボンア○モンドラッ○ュの広告を側面窓下に掲載して運行、その後6月までは「みなと得々きっぷ」の広告、10月まではブ○ボンフ○ットチーネ○ミ、以降はブ○ボンブ○リア○トトリ○フの広告を配している。

編成組換え

600形は※中央貫通路を備えておらず、増結に向いていないことから、現在は第2編成で導入を打ち切っている。なお、703編成以外は600形との組換えが実施されることになり、721編成は705編成として1005号車の機器を流用する形で性能を同等のものに変更し、723編成も2024年1月上旬にVVVF制御化が実施され、707編成に変更となり、本線運用対応の720形は形式消滅した。
また、701編成701は601編成602、707編成は603編成にそれぞれ混じる形で組換えが行われた。

※3両編成以上の増結相手である800形など一部の車両は片方にしか貫通路を備えておらず、中央貫通路を備えている700形に向きを合わせていることから、増結が容易である700形を代替廃車にすることは難しい。なお、600・800形を中間に組み込まないのが原則である。

編成表

各編成組換え前

形式 700 700 備考 塗装の変遷
  702(326) 701(325)   菜種色
  704(328) 703(327)   みなと
  722(330) 721(329) 2024年度705編成に改番、VVVF化 菜種色→PIELLE
  724(332) 723(331) 2024年度707編成に改番、VVVF化 みなと→スイス→みなと簡略

形式 600 600 備考 塗装の変遷
  602(254) 601(253)   菜種色
  604(258) 603(257) VVVF制御 みなと簡略
  606(260) 605(259) 導入未定  

2024年11月組換え後

形式 600 600 備考 塗装の変遷
  702 601   菜種色
  602 701   菜種色
  704 703   みなと
  706 705 VVVF制御 PIELLE
  708 603 VVVF制御 みなと簡略
  604 707 VVVF制御 みなと簡略

2025年1月以降の編成

形式 600 600 備考 塗装の変遷
    601 増結用 菜種色
  602 701   菜種色
  704 703   広告
  706 605 VVVF制御,増結用 みなと簡略
  606 705 VVVF制御 みなと簡略
  708 603 VVVF制御,増結用 みなと簡略
  604 707 VVVF制御 みなと簡略

※603,605編成は4両編成運転時の増結用
※703編成は車体広告車

  • 最終更新:2012-12-23 03:44:11

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