京青3400形電車(2代)

京青3400形電車(きょうせい3400がたでんしゃ)は1993年から京青電鉄に在籍している電車である。

京青3400形電車
画像準備中
編成:8両編成
営業最高速度:110km/h
設計最高速度:120km/h
編成定員:1044人
車両定員:先頭車123人、中間車133人
全長:18,000mm
軌間:1250mm(帝国標準軌)
電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
主電動機:TDK-8500A型直流複巻電動機140kW
制御装置:界磁チョッパ制御
駆動装置:WN継手式平行カルダン駆動
台車:形ミンデン式台車FS-383AF形・FS-083AF形
ブレーキ方式:回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置:C-ATS
製造メーカー:京青電鉄山田工場
概要

特急列車であるウィングライナーとして運用されてきたAE形は、車両の老朽化に伴い、1990年より後継車である2代目ウィングライナーAE100形へと置き換えが開始された。しかし、老朽化とはいえ、制御装置をはじめとした走行機器類の劣化は少なく、十分に使用できる状態であったため、AE形の走行機器類を利用し、同社山田工場で新製した普通鋼車体を組み合わせて通勤型車両へと改造されたのが本形式である。1993年1月から1995年11月にかけて8両編成5本の40両が落成した。それに対し、種車であるAE形は8両編成6本だったが残りの1編成分は予備部品を確保するために製造が打ち切られた。
しかし、2015年に本線の特急運用に活躍していた5200形が千浜急行直通運転対応工事が始まり、同列車に転属するための編成確保を目的とし、予備部品の利用で新たに1編成が増備された。ただし、この時増備された編成は製造時から(※後述)更新後の顔つき、シングルアームパンタグラフ、内装で落成している。

「3400形」の形式は1937年に「いもむし」の愛称で親しまれてきた特急型車両と形式名が重複しているため、本形式は2代目となる。また運行していた時期も重複しており、番号についても3408編成の青台空港方先頭車のみ「3400」としていた。しかし、2002年に3400形(初代)が引退してからは「3401」となり、2018年に初代3400形が復活してからは「3461」となり、2021年に再び初代3400形が引退後も廃車時まで「3461」のまま運行されていた。
車体外観・形状などは1991年より製造されたステンレス車体の3700形(→3800形)とほぼ同一で、3700形の鋼製塗装版とも言えるが、車体側面から見た前面下部形状が3700形は赤帯の部分から下が傾斜しているのに対し、3400形では垂直になっている。外板塗装は、ライトグレーをベースに、赤と青の帯が採用された。

編成形態は3700形と同様で、車両番号3461-3408が3408編成、3411-3418が3418編成とされ、車両番号の末尾3と6が付随車の他は、両先頭車を含めて電動車となる(8両編成でのMT比は6M2T構成である。)。中京都交通局(都営地下鉄)千日前線、谷町線や北平鉄道(製造時は北部開発鉄道)にも乗り入れが可能である。
編成表

形式 3400(M2c) 3400(M1) 3400(T) 3400(M2) 3400(M1') 3400(T) 3400(M1) 3400(M2c) 製造年度 備考
機器配置 CP チョッパ MG CP チョッパ MG チョッパ CP    
車両番号 3461 3402 3403 3404 3405 3406 3407 3408 1993 AE形に復元
  3411 3412 3413 3414 3415 3416 3417 3418 1993 2020年廃車
  3421 3422 3423 3424 3425 3426 3427 3428 1994 2020年廃車
  3431 3432 3433 3434 3435 3436 3437 3438 1994 2022年廃車
  3441 3442 3443 3444 3445 3446 3447 3448 1995 2022年廃車
  3451 3452 3453 3454 3455 3456 3457 3458 2015 保留車


内装
車内はアイボリー色を基調とした化粧板、濃淡のベージュ色の床など、3700形とほぼ同様の構成である。3700形形との相違点は登場時から先頭車に車椅子スペースを配置したこと、電動車に主電動機点検蓋を設置したことのほか、冷房装置が異なるため室内のフィルター形状が異なる程度である。
また、各客用ドア上部にはLED式の車内案内表示器を設置している。

乗務員室

前面は3700形同様に正面貫通扉を車掌台側に寄せ、運転台のスペースを広く取っている。乗務員室は3700形とほぼ同じ構成で、室内は淡緑色、運転台は黒色で、主幹制御器はT字形ワンハンドルマスコン式としている。また、計器盤右端には主要機器7点の故障を表示する故障表示盤を設置した。
冷房装置は3700形とは異なり、3200形など従来車に採用している集約分散式の冷房装置を3基搭載している。


走行機器など
前述の通り、走行機器類や下枠交差形パンタグラフ、冷房装置などは基本的にAE形から流用し、更新修繕の上で再利用している。
ただし、ディスクブレーキを保守簡略化のため片押し式ユニットブレーキ方式への改良、マスコンの定速制御装置を外し、他の通勤型車両と同様に5段階方式へと改められている。
ブレーキ作用装置は流用品で、回生ブレーキ併用の全電気指令式空気ブレーキであるが、特徴的なのは、機器の流用元であるAE形が特急車であったがために、低速域の衝動防止のために回生制動の回路を直列に切り替える機構がなく、やはり直並列制御を行わず、45km/hで回生制動が失効し、それ以下の速度では空気制動しか機能しないことである。

新製後の動き

1993年にデビューした3408・3418編成においては登場時はスカートが未設置の状態で営業運転が開始されていたが、翌年に登場した3428・3438編成は登場時からスカートが設置されており、同時に3408・3418編成についてもスカートが設置された。
そして1995年の3448編成の増備をもって当初の製造予定本数が完了した。

更新工事
2005年より新形式通勤型電車である3000形(2代)の登場により、3700形2編成,3400形5編成に対して更新工事が行われることになり、以下の改造が施された。
・3000形や3800形と同様に前部標識灯を左右上部に配置し、急行灯は後部標識灯と縦並びにして腰部左右に配置。
・行先表示機を方向幕からLED方式へ、正面運行番号表示器をマグサイン方式からLED方式に変更。
・パンタグラフを下枠交差式からシングルアーム式に変更。
・連結部に転落防止幌を設置したのに伴い、妻窓を廃止。
・座席の袖仕切りを大型仕切り板化。
・貫通扉の窓が大型化され、乗務員仕切り扉と共に化粧板仕上げになった。
・座席をラベンダー色を基調とした生地に交換。

3408・3438編成が2005年度、残りの3編成を2006年度に更新工事が完了した。

3458編成
2015年より、本線の特急運用に活躍していた5200形が千浜急行直通運転対応工事が始まるのに伴い、同列車に転属するための編成確保を目的として新たに3458編成の1編成が増備されることになった。
ただし、3458編成は製造時からリニューアル車と同様の形態で落成している。
さらに、種別表示機にはフルカラーLED方式が採用された。なお、現在3800形などで使用されているタイプとは異なり、文字部分のみが点灯するタイプだったため、緑色の種別を表示する際に見辛いという不評が多かったが結局は廃車時まで使用されていた。

廃車・譲渡
2020年に最新の3458編成がバレンタインを記念したラッピング電車を運行し、同年3月14日をもってわずか5年間の営業運転から離脱し、現在も保留車として山田検車区内に保管されている。ただし、バレンタインラッピングは剥がされ、通常塗装に戻っている。
そして2021年より、新形式車両である3070形3扉車の製造が始まり、車両の老朽化が目立っていた3400形についても本格的に廃車の時期が訪れた。機器類についてはAE形が登場した1972年から使用されているため、実に50年以上使い続けていることになる。
まず3075・3076編成の営業運転開始により、3418・3428編成が2021年3月に廃車となり、廃車解体されている。
しかし、3428編成のうち3428,3427号車の機器類はひろせき電鉄4000形、3418編成の3413~3416号車の機器はひろせき電鉄10000形、3428編成のうち3423~3426号車の機器は豊晴交通10000形に流用されており、ひろせき電鉄4000系を除き、現在も活躍している。
そして2022年11月には3408・3448編成、12月には最後まで残った3438編成が営業運転離脱し、これで3400形の営業運転は終了した。
3408編成は翌年2月に彩葉新工機へ自力回送し、AE形初代ウィングライナーへの復元工事が行われることになり、3438・3448編成は豊晴交通への譲渡に向けて12月より何度かタイムトンネル通過試運転を実施し、翌年1月に正式に譲渡され、豊晴交通3800形として2月より営業運転が行われている。

関連項目
・京青AE形電車
・京青3700形電車
・京青5000形電車
・ひろせき電鉄4000系電車
・ひろせき電鉄10000系電車
豊晴交通3800形電車
・豊晴交通10000形電車

  • 最終更新:2011-08-16 13:47:42

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