京青800形電車
京青800形電車は1959年にデビューした京青電鉄にかつて在籍した特急型電車で、当時としては画期的な電力回生ブレーキなど新技術が採用された高性能車両である。1972年のAE型登場後は通勤型へと転用改造され、1996年には3500形への更新、1998年には3600形への更新が開始され、後者は現在も3400V形として在籍している。800形自体は2002年に全車廃車となっている。
本項では、更新車の3500形についても記述する。なお、3400V形については3600形の項を参照のこと。
なお、京青電鉄の編成呼称は3000形以降の車両を除き、上野方先頭車の番号を表記するが、本項に限りその青台空港側の先頭車(その編成の中で番号が若い車両)を表記する。
本項では、更新車の3500形についても記述する。なお、3400V形については3600形の項を参照のこと。
なお、京青電鉄の編成呼称は3000形以降の車両を除き、上野方先頭車の番号を表記するが、本項に限りその青台空港側の先頭車(その編成の中で番号が若い車両)を表記する。
概要
1959年6月に高速運転で使用し続けて老朽化が目立ち始めた3400形(初代)の後継車として2M1Tの3両編成4本の12両が製造され、3400形に代わり、特急「開運号」や「招運号」として営業運転開始された。
ちなみに形式は元々将来の通勤車化改造を見込んで製造されたため、最後に製造された700形通勤型電車に続く形式ということで800形とされ、実際に特急列車以外にも活用されていた。
車体は、前面非貫通、一体窓を採用しており、従来の車両と比べ、すっきりとした車体となった。
足回りも空気ばね台車のTH-800を採用、駆動装置も3000形(初代)に続くカルダン駆動を採用。
また、京青の車両では初の集中冷房装置を中間車に採用された。(第1編成を除く)
塗装は3400形と同様のストロークリームにスカーレット帯の「2代目特急色」を纏い、全席転換クロスシートのロマンスカーとして注目を浴び、乗客から好評を得たことから、1962年までに3両編成9本の27両となり、多客時は6両編成や9両編成に組み替えられ、2021年にAE2000形が10両編成化されるまでは京青電鉄で最長編成を誇っていた。ただし、当時のホームの有効長は主要駅でも8両編成までであったため、ホームから外れる1両は締切としていた。
また、1955年より810、813編成には試験的にテレビが設置され、衛星放送などを放映していたが1972年の通勤型改造工事に撤去された。
ちなみに形式は元々将来の通勤車化改造を見込んで製造されたため、最後に製造された700形通勤型電車に続く形式ということで800形とされ、実際に特急列車以外にも活用されていた。
車体は、前面非貫通、一体窓を採用しており、従来の車両と比べ、すっきりとした車体となった。
足回りも空気ばね台車のTH-800を採用、駆動装置も3000形(初代)に続くカルダン駆動を採用。
また、京青の車両では初の集中冷房装置を中間車に採用された。(第1編成を除く)
塗装は3400形と同様のストロークリームにスカーレット帯の「2代目特急色」を纏い、全席転換クロスシートのロマンスカーとして注目を浴び、乗客から好評を得たことから、1962年までに3両編成9本の27両となり、多客時は6両編成や9両編成に組み替えられ、2021年にAE2000形が10両編成化されるまでは京青電鉄で最長編成を誇っていた。ただし、当時のホームの有効長は主要駅でも8両編成までであったため、ホームから外れる1両は締切としていた。
また、1955年より810、813編成には試験的にテレビが設置され、衛星放送などを放映していたが1972年の通勤型改造工事に撤去された。
800(M1c) | 800(M2) | 800(Tc) | 製造年度 |
---|---|---|---|
801 | 802 | 803 | 1959.6 |
804 | 805 | 806 | 1960.1 |
807 | 808 | 809 | 1960.1 |
810 | 811 | 812 | 1960.2 |
813 | 814 | 815 | 1961.5 |
816 | 817 | 818 | 1961.5 |
819 | 820 | 821 | 1961.5 |
822 | 823 | 824 | 1962.10 |
825 | 826 | 827 | 1962.10 |
通勤型改造後
1972年に空港特急用のAE型が登場してから余剰となった800形は次々に通勤型へと改造された。
なお、AE型運行開始後も改造前の車両は特急予備車として2編成連結した6両でウィングライナーの代走などに800形が度々使用されることがあった。
なお、通勤型への改造内容は、2扉→3扉への改造、座席のロングシート化、塗装をスカーレット1色にアイボリーの帯へ変更され、4M2Tの6両固定編成化が行われた。また、第1編成においては集中冷房に換装された。
これにより、6両編成4本の24本の改修が完了したが、最後の825編成は新たに3両を追加新造した。なお、この追加新造した3両は後述する増備車と同等の性能になり、同時に825編成の機器類は元801編成に譲り、電装関係は増備車と同等の性能となった。
なお、AE型運行開始後も改造前の車両は特急予備車として2編成連結した6両でウィングライナーの代走などに800形が度々使用されることがあった。
なお、通勤型への改造内容は、2扉→3扉への改造、座席のロングシート化、塗装をスカーレット1色にアイボリーの帯へ変更され、4M2Tの6両固定編成化が行われた。また、第1編成においては集中冷房に換装された。
これにより、6両編成4本の24本の改修が完了したが、最後の825編成は新たに3両を追加新造した。なお、この追加新造した3両は後述する増備車と同等の性能になり、同時に825編成の機器類は元801編成に譲り、電装関係は増備車と同等の性能となった。
800(M1c) | 800(M2) | 800(T) | 800(M1') | 800(M2) | 800(Tc) | 製造年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
801 | 802 | 803 | 804 | 805 | 806 | |
807 | 808 | 809 | 810 | 811 | 812 | |
813 | 814 | 815 | 816 | 817 | 818 | |
819 | 820 | 821 | 822 | 823 | 824 | |
825 | 826 | 827 | 828 | 829 | 830 | 1972.8 |
通勤型増備車
800形の通勤型改造後には3300形などの地下鉄直通対応車が登場していたが、本線内の主力車両として、通勤型仕様の800形が増備されることになった。
性能はそれまでの抵抗制御から一新し、京青電鉄ではAE形に続く界磁チョッパ制御を採用、台車も改良型の金属ばね台車TH-850を採用しMT配置も変更された。
なお、番台区分は変更されず、828号車から製造され、831編成からは最初から6両固定編成で登場し、1979年までに45両が追加製造され、6両編成12本の72両の体制となった。
性能はそれまでの抵抗制御から一新し、京青電鉄ではAE形に続く界磁チョッパ制御を採用、台車も改良型の金属ばね台車TH-850を採用しMT配置も変更された。
なお、番台区分は変更されず、828号車から製造され、831編成からは最初から6両固定編成で登場し、1979年までに45両が追加製造され、6両編成12本の72両の体制となった。
800(Tc) | 800(M2) | 800(M1) | 800(M1) | 800(M2) | 800(Tc) | 製造年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
831 | 832 | 833 | 834 | 835 | 836 | 1972.8 |
837 | 838 | 839 | 840 | 841 | 842 | 1972.8 |
843 | 844 | 845 | 846 | 847 | 848 | 1972.8 |
849 | 850 | 851 | 852 | 853 | 854 | 1973.1 |
855 | 856 | 857 | 858 | 859 | 860 | 1973.1 |
861 | 862 | 863 | 864 | 865 | 866 | 1973.1 |
867 | 868 | 869 | 870 | 871 | 872 | 1973.1 |
8両固定編成改造
1980年代から優等列車の8両編成化が進行し始め、6両固定編成で使用されていた800形においても8両編成化が進められるようになった。後期車は1987年、前期車は1989年に組換えが行われた。
対象となったのは後期車29両と前期車19両の48両で、余剰となった車両は4両編成または6両編成に改造され、モーター出力もそれぞれ調整されている。しかし、809と821は廃車となった。
また前期車においてはバーミリオンに白帯の塗装に変更された。同時に後期車と同様の界磁チョッパに換装された。一方、後期車は8両編成を対象に3700形の登場に合わせてライトグレーをベースに赤と青の帯を纏った現在の標準色に近い塗装になった。
また、編成組換えと同時に電子笛、停車駅予報装置が設置された。
対象となったのは後期車29両と前期車19両の48両で、余剰となった車両は4両編成または6両編成に改造され、モーター出力もそれぞれ調整されている。しかし、809と821は廃車となった。
また前期車においてはバーミリオンに白帯の塗装に変更された。同時に後期車と同様の界磁チョッパに換装された。一方、後期車は8両編成を対象に3700形の登場に合わせてライトグレーをベースに赤と青の帯を纏った現在の標準色に近い塗装になった。
また、編成組換えと同時に電子笛、停車駅予報装置が設置された。
800(M1c) | 800(M2) | 800(T) | 800(M1') | 800(M2) | 800(M1') | 800(M2) | 800(Tc) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
801 | 802 | 803 | 810 | 811 | 804 | 805 | 806 |
813 | 814 | 815 | 822 | 823 | 816 | 817 | 818 |
800(M1c) | 800(M2) | 800(T) | 800(M1') | 800(M2) | 800(Tc) |
---|---|---|---|---|---|
807 | 808 | 812 | 819 | 820 | 824 |
800(Tc) | 800(M2) | 800(M1) | 800(M1) | 800(M2) | 800(M1) | 800(M2) | 800(Tc) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
825 | 826 | 827 | 852 | 853 | 828 | 829 | 830 |
831 | 832 | 833 | 858 | 859 | 834 | 835 | 836 |
837 | 838 | 839 | 864 | 865 | 840 | 841 | 842 |
843 | 844 | 845 | 870 | 871 | 846 | 847 | 848 |
800(Tc) | 800(M) | 800(M') | 800(Tc) |
---|---|---|---|
849 | 850 | 851 | 854 |
855 | 856 | 857 | 860 |
861 | 862 | 863 | 866 |
867 | 868 | 869 | 872 |
3500形への更新
老朽化が目立ち始めた800形においても廃車の時期を迎えることになったが、新型車両に置き換えられることなく、比較的経年の浅い後期車においては車体更新する方針に切り替わった。
対象となったのは4両編成4本で、前面を貫通型に変更、片開き扉から両開き扉に変更され、貫通扉に種別表示機、前面上部中央に行先表示機、そして上部1灯の前照灯を腰部角型2灯に振り分け、前面のスタイルは3200・3300形更新車に準じたスタイルとなった。
塗装も現在の京青標準色に変更し、1996年8月より順次運行開始した。
車体番号の変遷は以下の通りである。
849編成→3504編成
855編成→3508編成
861編成→3512編成
867編成→3516編成
また、それまで入線することのなかった都営地下鉄千日前線にも4+4の8両編成で入線するようになり、運用範囲は広がった。
対象となったのは4両編成4本で、前面を貫通型に変更、片開き扉から両開き扉に変更され、貫通扉に種別表示機、前面上部中央に行先表示機、そして上部1灯の前照灯を腰部角型2灯に振り分け、前面のスタイルは3200・3300形更新車に準じたスタイルとなった。
塗装も現在の京青標準色に変更し、1996年8月より順次運行開始した。
車体番号の変遷は以下の通りである。
849編成→3504編成
855編成→3508編成
861編成→3512編成
867編成→3516編成
また、それまで入線することのなかった都営地下鉄千日前線にも4+4の8両編成で入線するようになり、運用範囲は広がった。
廃車、3600形への更新
1998年、最初に登場した801編成の登場から40年を迎えようとしている800形に本格的に廃車の時期が訪れた。
しかし、初期車は先述のように界磁チョッパ制御に近年更新されたため、「車体更新」という位置づけで車両を置き換えることになった。
なお、1996年に車体改造によって更新された3500形とは異なり、1998年より更新された編成は完全新製された車体によって更新されることになった。
新製車体はAE型の装置を再利用した3400形(2代)に準じた車体である。
流用されたのは制御装置のみで、台車などの走行機器などほとんどの部品は新製品に置き換わった。
これによって誕生したのが3600形で、1998年に2編成が更新された。なお、後期車4編成においても2000年以降に順次3600形へVVVF制御で「名目上」更新されたが、部品流用されていないため、事実上廃車となっている。
その後、3400V形へと更新されるが、詳細内容は3600形を参照のこと。
しかし、初期車は先述のように界磁チョッパ制御に近年更新されたため、「車体更新」という位置づけで車両を置き換えることになった。
なお、1996年に車体改造によって更新された3500形とは異なり、1998年より更新された編成は完全新製された車体によって更新されることになった。
新製車体はAE型の装置を再利用した3400形(2代)に準じた車体である。
流用されたのは制御装置のみで、台車などの走行機器などほとんどの部品は新製品に置き換わった。
これによって誕生したのが3600形で、1998年に2編成が更新された。なお、後期車4編成においても2000年以降に順次3600形へVVVF制御で「名目上」更新されたが、部品流用されていないため、事実上廃車となっている。
その後、3400V形へと更新されるが、詳細内容は3600形を参照のこと。
完全引退へ
3500、3600形への更新がほぼ完了し、唯一800形のまま残った807編成については、1996年に標準塗装に変更され、普通列車を中心に活躍し続け、ファンの注目も集めていた。
しかし、40年以上経過した2002年に800形としては引退となった。運用離脱の1週間前からさよならヘッドマークを付けて運行された。
一方、更新で延命された3500形も新3000形増備により2015年で全編成が引退し、3600形チョッパ制御車も2021年の3400V形への更新により、800形の走行機器類を搭載する車両が消滅した。
しかし、40年以上経過した2002年に800形としては引退となった。運用離脱の1週間前からさよならヘッドマークを付けて運行された。
一方、更新で延命された3500形も新3000形増備により2015年で全編成が引退し、3600形チョッパ制御車も2021年の3400V形への更新により、800形の走行機器類を搭載する車両が消滅した。
保存車両
最後まで残った800形のうち、807号車が登場時の姿(ストロークリームにスカーレット帯)に復元されて星野博物館に保存展示されている。
関連項目
・京青3400形(初代)電車
・京青3600形電車
・京青AE形電車
・京青3600形電車
・京青AE形電車
- 最終更新:2011-02-12 00:13:06